高所恐怖症男女らの吊橋におけるストレスをギャバが抑制

ストレス状態にあるときには、唾液中の免疫成分である、免疫グロブリンIgAの濃度が下がります。また、精神的なストレスによって唾液中に放出されるクロモグラニンA(CgA)が増加することがわかっています(*)。

ギャバの抗ストレス効果を検討するため、ストレス状態にあるときの人間の免疫力に、ギャバの摂取がどのように作用するかを実験・観察しました。

*ストレス→唾液中免疫グロブリンIgAの分泌量低下。精神的ストレス→唾液中のクロモグラニンAの放出量増加

方法

ギャバを摂取しないときと、摂取(500mg)した後で、高所恐怖症の男女8人が高さ50メートルの吊橋を渡ります。スタート前、吊橋の中間地点、渡りきった地点の3地点で唾液を採取して、唾液中の免疫グロブリンIgAと唾液中クロモグラニンA(CgA)の量を測定し、変化を検討しました。

結果

唾液中の免疫グロブリンIgAの分泌量

ギャバを摂取していないとき(Control)・・・出発前の250μgから中間点、終了時において平均で150μgにまで下がっています。これはストレス下の通常の反応です。

ギャバを摂取しているとき・・・出発前と中間地点で、分泌量はほぼ同じ250μg(平均)。さらに終了時には出発前よりも分泌量が高まっていました(下グラフ)。

この実験で、ギャバを摂取しているときには、ストレスによる神経の昂ぶりが抑えられていることがわかります。

page04_fig_01

唾液中クロモグラニンA(CgA)の放出量

ギャバを摂取していないとき(Control)・・・中間地点で平均20%程度上昇しました。

ギャバを摂取しているとき・・・中間地点で平均20%程度の低下が見られました(下グラフ)。

この実験で、精神的ストレス下にあるときに通常は見られる神経の昂ぶりが、ギャバを摂取しているときには抑えられていることがわかります。

page04_fig_02
さらに、出発前と終了後に心理テストを行ないました。

ギャバを摂取しているときには、摂取していないときと比べて、混乱、抑うつ、緊張不安が鎮まっているという結果が得られました。