食品とバイオテクノロジーに関する国際学術誌「Food Science and Biotechnology」誌に、GABAに寝つきや深い睡眠、起床時の気分の改善効果(睡眠改善効果)があることが報告されました。

2016年5月26日

睡眠は現代の社会問題となっており、不眠をはじめとする睡眠障害に悩む人の割合は日本人成人の実に20%以上とも言われています。不眠の原因には様々な要因がありますが、そのひとつがストレスなどの精神的な要因です。ストレス軽減効果が知られているGABAは睡眠の改善にも効果があることが先行研究から明らかになっていましたが、この研究ではその効果がさらに詳細に調べられました。

睡眠に何らかの問題を抱えた被験者10名に対し、1週間毎日就寝前にGABAまたはプラセボ※1を摂取してもらい、睡眠時の脳波を測定。脳波パターンから入眠までの時間や深い睡眠の割合などが算出されました。

その結果、GABAには入眠までの時間を短縮する効果(寝つきの改善)や深い睡眠の割合を増やす効果が認められました。これらの効果はGABAとプラセボで有意な差※2があったということです。先行研究からもGABAの寝つきの改善効果は知られていましたが、今回の研究からGABAには深い睡眠の割合を増やす効果も認められました。また、起床時の気分がすっきりしているという体感も、GABAとプラセボでは有意な差があったと報告されています。

この論文では、GABAの睡眠改善効果と同時にGABAの吸収の速さも調べられており、GABAは摂取から30分程度で体内に吸収されることが明らかとなっています。

※1 実際は効果のない成分が入っているが、味や外見上は他のサンプルと見分けがつかなくしたサンプル。
※2 偶然起こったことではなく統計学上意味のある差